STAR BOX EXTRA THE BOOM

THE BOOM STAR BOX EXTRA THE BOOM歌詞
1.星のラブレター

作詞:宮沢和史
作曲:宮沢和史

庭に出て 月あかりで あたたかい夜に
君に書いたラブレターを 読み直してみるよ
我ながら良く書けた文だ 三枚も書いた
コオロギが便せんに止まった 失礼なやつだ

君に会いに行くよ 君に会いに行くよ
愛してます 好きにしてよ 君に会いに行くよ

朝日通りは 夕飯時 いつもの野良犬たちが
僕の知らない 君の話 時々聞かせてくれた
年をとって生命がつきて 星のかけらになっても
昨日聞かせた僕の歌 町中に流れてる

君に会いに行くよ 君に会いに行くよ
愛してます 好きにしてよ 君に会いに行くよ

あんなに楽しかった夏休みだったのに
君のママとも仲良くなったのに
秋になって 冬を越えて サヨナラと言った
何十年 指折りかぞえて自転車に乗って また

君に会いに行くよ 君に会いに行くよ
愛してます 好きにしてよ 君に会いに行くよ


2.都市バス

作詞:宮沢和史
作曲:宮沢和史

ほろにがい日はバスに乗り
となり町まで走ります
小銭集めて宇宙への
おてがるな旅 ミステリーはつづく

でき心でついたうそを
信じた奴が連れてきた
黒いマントの殺し屋が
追いかけてくる 僕をさらいに来る
運転手さんとばしましょ
ちっちゃなバス停なんかとばしましょ
後部座席でうたた寝て
鳥や猫や犬や虫でも
気のあうやつはつれて行くよ

都市バスの中 カラッポ頭
遠くへ逃げる 勇気ないなら
都市バスの中 世田谷の中
雲がくれの日々を楽しもうよ

人恋しい日はバスに乗り
古本屋の前で下車
他人の心 のぞきたくて
涙でしわになったページさがす

ハイカラおばさんどきなさい
そこはいつもの僕の席
めがねはずしてうたた寝て
平和や愛や夢や希望も
うそでなければ連れて行くよ

都市バスの中 カラッポおなか
遠くへ逃げる 勇気ないなら
都市バスの中 世田谷の中
雲がくれの日々を楽しもうよ


3.気球に乗って

作詞:宮沢和史
作曲:宮沢和史

ありったけの手持ちのゆとりや
ポケットの中のぬくもりを
ひずみきった国々に
ポツンと落としてやるのさ
要なしの人間なんているわけはないと
神様はいつも僕に言うけど
本当のところは口をつぐんで
誰も言おうとしないけど
気球に乗って ほこりになってゆられたい

今ひとつこの気球が昇っていかないのは
僕をおどらせる俗物どもが
足元にしがみついているからさ
胸いっぱい風を集めよう
名もなき同胞(とも)が抹殺されて
価値あるブルジョアが生き残るとするなら
真先に死ぬのはこの僕なのさ
僕こそ不必要なものだから
気球に乗って ほこりになってゆられたい

気流に乗って ほこりを捨ててゆられたい


4.釣りに行こう

作詞:宮沢和史
作曲:宮沢和史

十何年前はまだ 君より小さくて
君のアゴのほくろをいつも見上げてたんです
君はといえば 泥んこになって
こうもりの子守唄 朝も夜も昼寝
目が覚めたら君は うそばかりついた
その度だまされたふりしてた

釣りに行こう 釣りに行こう
雨がやんだら迎えに行くね
釣りに行こう 釣りに行こう
いつもの場所へ迎えに行くね

釣り竿にぎったまま 君はまた昼寝
魚がひいているのに 今日も知らん顔
僕も君の真似して 目を閉じてみたけど
なぜか眠れないんです 柳がくすぐるんです
大人になってもう一度 あの川へもどれば
まだたぶん 君は眠りの途中

釣りに行こう 釣りに行こう
梅雨があけたら迎えに行くね
釣りに行こう 釣りに行こう
いつもの場所へ迎えに行くよ


5.中央線

作詞:宮沢和史
作曲:宮沢和史

君の家のほうに 流れ星が落ちた
僕はハミガキやめて 電車に飛び乗る
今頃君は 流れ星くだいて
湯舟に浮かべて 僕を待ってる

走りだせ 中央線
夜を越え 僕を乗せて

逃げ出した猫を 探しに出たまま
もう二度と君は 帰ってこなかった
今頃君は どこか居心地のいい
町を見つけて 猫と暮らしてるんだね

走り出せ 中央線
夜を越え 僕を乗せて


6.からたち野道

作詞:宮沢和史
作曲:宮沢和史

赤い実にくちびる染めて
空を見上げる
これ以上つらい日が来ませんようにと
飛び石踏んだ

からたち野道 花ふく小道
泣いたらだめよと虫の音小唄
からたち野道 はるかな小道
あのひとのもとへと続く道

紅い血にくちびる噛んで
空を見上げる
もう二度とつらい日がきませんようにと
まぶたを閉じた

からたち野道 垣根の小道
泣いたらだめよと沢の音小唄
からたち野道 はるかな小道
あの人の歌がきこえた道

赤い実にくちびる染めて
空を見上げる
これ以上つらい日が来ませんようにと
飛び石踏んだ

からたち野道 草笛小道
泣いたらだめよとなずなの小唄
からたち野道 はるかな小道
あなたのもとへ駆けてゆきたい

ひとりぼっちの陽だまり小道
いつも二人で歩いてた道
こずえの花を摘みとりながら
泣きべそかいては困らせた春

からたち野道 花ふく小道
泣いたらだめよと虫の音小唄
からたち野道 あの日のままの
あなたのもとへ駆けてゆきたい


7.島唄(オリジナル・ヴァージョン)

作詞:宮沢和史
作曲:宮沢和史

でいごの花が咲き 風を呼び 嵐が来た

でいごが咲き乱れ 風を呼び 嵐が来た
くり返す悲しみは 島渡る波のよう

ウージの森であなたと出会い
ウージの下で千代にさよなら

島唄よ 風に乗り 鳥とともに 海を渡れ
島唄よ 風に乗り 届けておくれ 私の涙

でいごの花も散り さざ波がゆれるだけ
ささやかな幸せは うたかたの波の花

ウージの森で歌った友よ
ウージの下で八千代の別れ

島唄よ 風に乗り 鳥とともに 海を渡れ
島唄よ 風に乗り 届けておくれ 私の愛を

海よ 宇宙よ 神よ いのちよ このまま永遠に夕凪を

島唄よ 風に乗り 鳥とともに 海を渡れ
島唄よ 風に乗り 届けておくれ 私の涙

島唄よ 風に乗り 鳥とともに 海を渡れ
島唄よ 風に乗り 届けておくれ 私の愛を


8.そばにいたい

作詞:宮沢和史
作曲:宮沢和史

目を閉じてごらん 君は何が見える
今日までの想い出 それとも未来
今まで僕は過去の湖を泳ぎ ひざを抱えていた
だけど今はステキな明日が見える

世界中で閉ざされた窓が今 開き出す
会ったことのない人達の笑い声が聞こえる

そろそろ君が幸せをつかむ番
その時は僕も そばにいたい

手を空高く伸ばしてみてごらん
何かに触れたら それが未来さ
背のびしても飛び跳ねてももがいても構わない
神様はいつか君に気がつく

世界中の子供の涙はいつかわく
同じ舟に乗る僕らは なぜ憎しみ合う

そろそろ誰かが幸せをつかむ番
その時は僕も そばにいたい

流行り歌はいくつも町を吹き抜けていった
東の国から西から笑い声が聞こえる

そろそろ君が幸せをつかむ番
その時は僕も そばにいたい


9.月さえも眠る夜

作詞:宮沢和史
作曲:宮沢和史

いつまで雨やどりを 続けてるつもりだろう
夏がふたつも過ぎたのに
涙が止まらないのを 雨のせいにしたいんだね
この胸においで

なにもかも捨てておいで
あなただけ連れておいで
月さえも眠る夜に

いつまで心閉じて 僕の手を拒むのだろう
花はいくつも枯れたのに
涙が止まらないのを タバコのせいにしてた
この胸においで

誰かと愛し合った
過ぎ去った季節まで
好きになってあげたい

言葉だけの愛が この街並をかざる
あなたに会って 初めて気付いた
二人が生まれた 本当の理由を

なにもかも捨てておいで
あなただけ連れておいで
月さえも眠る夜に

なにもかも捨てておいで
あなただけ連れておいで
月さえも眠る夜


10.真夏の奇蹟

作詞:宮沢和史
作曲:宮沢和史

街はCELEBRATION
喪服をまとって
子供らを生贄に
聖なる祭りは続く

愛してるって言って
あなたの口から
この世界が再び
まぶたを閉ざさぬうちに

地球より青い愛に気づいた二人
誰にも止められない 真夏の奇蹟

舵が狂ったNATION
イカルスのようさ
銃声が響いても
二人はキスを止めない

愛してるって言って
嘘でもいいから
古ぼけた方舟で
イエスが逃げ出す前に

地球より速く回りはじめた恋は
誰にも止められない 真夏の奇蹟

愛に傷ついて
また愛を信じた
約束は永遠と
疑わなかった二人

地球より速く回りはじめた恋は
誰にも止められない 真夏の奇蹟

地球より青い愛に気づいた二人
誰にも止められない 真夏の奇蹟

地球より速く回りはじめた恋は
誰にも止められない 真夏の奇蹟


11.帰ろうかな

作詞:宮沢和史
作曲:宮沢和史

雪帽子の猫柳 寝ぼけなまこのウグイ
春はまだかと待ちぼうけ 遥か遠いふるさと
忘れちまった童唄 名も無き子守唄
ないものねだりで逃げ出した 遥か遠いふるさと

帰ろうかな やめようかな 朝一番の汽車に乗って
帰ろうかな やめようかな 長いトンネルぬけて

道に迷った渡り鳥 おいてけぼりの案山子
冬はいやだと泣いている 茜色のふるさと

帰ろうかな やめようかな あの娘が働く町へ
帰ろうかな やめようかな 祭ばやしに乗って

宵待ち草が咲く頃にゃ ひとりぼっちが身にしみる
鳴くな 泣くなよ 夜ガラスよ
つられてこっちも泣けてくる

帰ろうかな やめようかな あの娘が働く町へ
帰ろうかな やめようかな 祭ばやしに乗って

帰ろうかな やめようかな 朝一番の汽車に乗って
帰ろうかな やめようかな 長いトンネルぬけて

帰ろうかな やめようかな あの娘が働く町へ
帰ろうかな やめようかな 祭ばやしに乗って

帰ろうかな やめようかな 朝一番の汽車に乗って
帰ろうかな やめようかな 長いトンネルぬけて


12.berangkat-ブランカ-


13.風になりたい

作詞:宮沢和史
作曲:宮沢和史

大きな帆を立てて あなたの手を引いて
荒れ狂う波にもまれ 今すぐ風になりたい

天国じゃなくても 楽園じゃなくても
あなたに会えた幸せ 感じて風になりたい

何ひとついいこと なかったこの町に
沈みゆく太陽 追い越してみたい

生まれてきたことを 幸せに感じる
かっこ悪くたっていい あなたと風になりたい

何ひとついいこと なかったこの町に
涙降らす雲を つきぬけてみたい

天国じゃなくても 楽園じゃなくても
あなたの手のぬくもりを 感じて風になりたい

天国じゃなくても 楽園じゃなくても
あなたに会えた幸せ 感じて風になりたい


14.手紙

作詞:宮沢和史
作曲:宮沢和史

毎日毎日、君に手紙を書いているんだけど、
なぜか出せないままでいる。
なにかと世の中、回るのが早くて、
昨日書いたものが、今朝にはもう白けて映るんだ。
急いで君に伝えたいことがあるわけじゃないし、
君が元気なのを僕は知っている。

ただ、こうして便箋にペンを泳がせ、
行間でお茶を入れては、日々の生活の隙間を埋めている。
生きているから時間が過ぎていくのか、
時間をつぶすために生きているのか、
時々それが判らなくなる。

たまぁに、人の顔が動物に見える時はないかい?
先日、飲み屋の客全てがいろんな動物に見えてきたんだ。
そこはもう、鳥獣戯画の宴のよう。
気味が悪くて、すぐ部屋に帰ったんだけど、
鏡に写る自分の顔を見て、やけにフケてきたなぁって思ったよ。
猜疑心と達観の間で、妙な顔色をしている。
人を傷つけた分だけ心が濁っていくのが、よく判るんだ。
ところで 嘘をついた時ほど寝つけない夜はないけど、
眠れない夜こそ自分に素直になれるっていうのも、おかしな話だよね。

Now I'm just standing here Winds rage upon me
Though I'm the only one I go on singing new songs

近頃、自分の周りでも世間でも、
嫌なニュースばかりが飛び込んでくるよ。
そんな時は、柳の木の下で、
まるで、みの虫のようにじっと待つしかないんだ。
風が止むのを待つのは、すごく長く感じるけど、
別に何も失うものはないし、
鼻クソほじってたって地球は回ってるよ。
それにしても、お気楽な音楽が蔓延してて、まるで公害のようだね。
この巨大な渦の中心にいるのは、いったい誰なんだろう。
きっと、誰もいやしないよ。
今は風が止むのを待った方がいい。
その間に僕らはナイフを研いでおくべきだ。

本当は、君も僕も人前に立つべき人間じゃないのかもしれない。
きっと、僕らの夢を完璧に成し遂げてくれるシンガーが出てきたら、
僕はギターとマイクを置いて、
そいつの歌に夢中になってるかもしれない。
僕はただ、音楽を愛していたいだけだ。
ロックンロールに、こめかみを撃ち貫かれたいだけなんだ。

Now I'm just standing here Winds rage upon me
Though I'm the only one I go on singing new songs

人々はもう、ロックンロールなんて必要としていないのかもしれない。
だけど、ロックンロールは決して死ぬことはない。
僕は、そう思いながら生きている。
誰かが僕を愛してくれるなら、
その全ての人を道づれにしたいと思ってるんだ。
ロックンロールの限り無き、うねりの中へ。

君も一緒に行かないかい?

今度、電話でもするよ。


15.時がたてば

作詞:宮沢和史
作曲:宮沢和史

荒く閉まるドア 煙だけが部屋に残る
雨足は早く もう君には追いつけない

捨て猫のように ひざを抱いて 微笑む君を
そっと抱き上げて 隠すように暮らした町

ああ 時が来れば わかることも あるはずだね
だから 今夜きりにしてしまおう 涙なんて

あの空高く 僕は飛んでみたいと言った
かわりばえのしない 生活を君は愛した

ああ 時がたてば 笑いごとに なるはずだね
だから 今夜きりにしてしまおう 涙なんて

明日になれば 二人の目には
違う景色が 朝日を浴びて 輝くだろう

荒く閉まるドア 時計だけが時を刻み
古いレコードが 部屋の隅で時を止める